整体 筋膜 | 整体は大阪心斎橋のエルンテ整体院
このページでは、骨格や内臓器官を支える筋膜について詳しくご説明いたします。
筋肉の構造 = 筋繊維+筋膜
筋膜について説明する前に、筋肉がどういう構造なのかご説明致します。
下図は上腕二頭筋の断面の一部を拡大したものです。
赤色が筋繊維で、最も最小の単一細胞です(それを覆う黄色い膜は筋内膜と呼ばれます)。イメージとしてはキャンディを1個ずつラップでくるんでいるような状態です。
この筋繊維が複数集まって、筋周膜によってまとめて覆われた状態を筋繊維束と呼びます。
この筋繊維束が複数集まって、筋上膜によってまとめて覆われた状態を筋束と呼びます。
よって筋肉は筋膜(ラップ)にくるまれた筋繊維(中身)の束によってできているのです。
筋膜が身体全体を繋いで支えている
筋肉がゆるむにはそれを包んでいる筋膜もゆるんでいる必要があります。なぜなら、筋肉がゆるんでも筋膜が固いままだとまたすぐに固くなってしまうからです。
筋膜は構造的にはコラーゲンとエラスチンというタンパク質で形成され、
- 筋肉以外にも骨・内臓・血管・神経など体内のあらゆる組織を包み込む
- それぞれの組織を繋ぎとめて身体全体を構造的に支える
などの役割を担っています。
上図は身体全体に張り巡らされた筋膜を簡単に示したものです。
図から筋膜は身体全体に張り巡らされたネットみたいなものと考えられます。
ネットの張力で身体という構造全体を支えているのです。
これ以降、本ページではでいう「筋膜」とは後者の部分を含めた「体内の全ての組織を包み込む膜」を示すものとします。
テンセグリティ
筋膜を考える際に最も大事なのは、
「筋膜が身体中のあらゆる組織を繋いで一つにまとめて、その張力で身体の構造全体を支えている」
点です。
ロルフィングというボディワークでは、筋膜による張力で人間の体はその状態を保つことができ、骨や内臓や筋肉はその中で浮いているという見方をします。
建物の構造を例にとると、テントのロープの部分が筋膜にあたります。様々な方向に張り巡らされたロープによって、テントの構造が支えられていると考えてみて下さい。
これを説明する際によく用いられるのが、テンセグリティ(Tensegrity)という概念です。
上図はテンセグリティの単純モデル(01)ですが、これは全体に張り巡らされたワイヤーの張力により支えられた構造になっています。
このモデルに手で圧力を加えた場合の画像(02~03)を見ると、モデル全体でその影響を受け止めて、全体の形を変化させながら、その構造を保っています。
私達の身体全体を覆う筋膜の張力システムもこれも同じく、特定の場所に受けた情報を全体で受け止めるという性質を持つことから、筋膜は身体内部における情報伝達の機能も備えていると言えるのです。
※テンセグリティとはテンション(張力)とインテグリティという言葉の合成語
筋膜については、藤本靖「身体論者・藤本靖の身体のホームポジション」を引用させて頂きました。詳しくは左図のリンク先でご確認下さい。